FSアイ「健康食品をめぐる新年業界展望」
FOOD STYLE21
新年に際して健康食品業界の動きを展望してみたい。昨年の大きな出来事から今年の注目を探ってみると、大きなキーワードは2つある。“消費者庁”と“業界団体の一本化”だ。他にも“抗糖化ブーム到来?”や“安全性の第三者認証制度”などがあるが、ここでは2大キーワードを展望してみた。
まず、2009年を振り返ってみると、一番気になる出来事は消費者庁が9月に誕生したことである。厚労省から特別用途食品やトクホ行政などが移管されたことから、今後どうなるのかが注目の的であった。そのうち花王のエコナ問題が世間を賑わし、その影響で11月末には「第1回健康食品の表示に関する検討会」(座長:田中平三甲子園大学学長)が設立された。トクホの廃止を含めた表示制度の見直しの他、健康食品の表示のあり方も議論し、消費者の役立つ仕組みになっているかどうかなどを検討する。今年3月までに論点整理を行い、4月からは消費者委員会で論点整理に沿った議論を改めて進めるという。合理的で国際的にも通用する表示制度を議論してほしいが、検討会の人選をみると、2年前の厚労省が設置した「『健康食品』の安全性確保に関する検討会」と数人が重なっている他、消費者団体以外の委員はお馴染みのメンバーという印象が強い。しかし、厚労省という医薬品部局を持つ省庁ではないので、独自の展開を期待したい。12月22日には、最初のヒアリングが始まり、医師会や消費者団体、東京都健康安全部等が様々な話をした。今年業界から最も注目される検討会になるであろう。
ところで、昨年の健康食品業界は行政的にも市場的にも行き詰まり感があり、もやもやした一年であった。このような厳しい中、注目を集めたのは業界団体を一本化しようとする動きであった。これは、業界団体で昨年初めに設置した「健康食品産業振興検討会」(委員長:木村毅・健康と食品懇談会会長)である。日本健康・栄養食品協会で昨年8月に記者会見を開き、同検討会の中で業界団体間の連携を深めて統合という目標に向けて進んでいることを明らかにした。またこの中で、日本健康・栄養食品協会の山口喜久二副理事長は「業界の統一化に向けて賛同が得られるよう協会を改革することが必要だ。実行委員会を組織して改革の骨子案をまとめる計画」とぶち上げ、昨年12月17日に改革案を発表した。当時、木村委員長は「業界団体の一本化を考えた時に、今の日本健康・栄養食品協会には入れないということになり、産業振興検討会として業界の連携を深めつつ、かつ日健栄協の改革を促していくという2面性を持ちたい。第1ステップは、連携して共同活動を進めていくこと、次のステップに具体的にどのような形で団体の統合を行うかを考えることが必要」と述べている。共同活動とは8つの業界団体が共同して様々な健康食品問題に取り組むことで、同検討会の下に設けられている4つのプロジェクトチーム<①安全性・有効性プロジェクトとして有効性表示に関するガイドライン作成プロジェクト(主幹団体:健康と健康懇談会)、②原材料の規格基準作成プロジェクト(主幹団体:CRN JAPAN)、③健康食品のあり方に関するプロジェクト(主幹団体:AIFN=旧NNFAジャパン)、④学術的ネットワーク強化プロジェクト(主幹団体:日本健康・栄養食品協会)>がそれぞれ問題解決に向けて動き出している。
こうして今年の2大キーワードを考えてみると、昨年は今年の準備期間であった気がしてならない。今年、“事”を成し遂げるために昨年があった。健康食品業界にとって、今年は大きなうねりが来る年になるかもしれない。いや、そうしなければならない。
FOOD STYLE21
2010年1月号
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